正社員と契約社員の違い
投稿日:2024.03.11 最終更新日:2024.09.09
目次
転職活動をする際は、「正社員」と「契約社員」の違いについて、しっかりと理解しておくことが大変重要です。
正社員と契約社員の違いを理解しておかないと、希望する会社に「正社員ではないけれど、契約社員であれば入社できる」と言われた時に、どのように応じるべきなのか判断できません。また、入社後に「こんなに条件や待遇が違うなんて、知らなかった」などといったトラブルになりかねません。
契約社員とは
転職活動をしていると、希望する会社が正社員ではなく契約社員を募集していることがあります。「正社員と契約社員は、どのように違うのだろうか」と気になる方も多いのではないでしょうか。
「契約社員」は法律に基づく名称ではないので、名称は会社によってさまざまですが、一般的には「労働時間はフルタイムであることが多く、正社員に近い勤務形態であるものの、一定期間で雇用契約が終了する労働者」のことを指します。
正社員との違い
正社員の場合は、雇用時の契約時点で雇用期間が定められていません。
また日本では、正社員について法律で手厚く保護しているため、正社員を簡単に解雇することはできません。
これに対して契約社員は、契約期間が過ぎれば自動的に雇用関係が終了しますし、もっと雇用したければ契約を更新する必要があります。
つまり契約社員は、会社にとって雇用を調整する役割を担っている側面があるのです。
契約社員のメリット
契約社員は一時期的な雇用関係であるため、長期的な身分が約束されているわけではありません。つまり契約期間が満了すれば、契約社員は職を失うというリスクも負っています。また、正社員と違って、退職金や賞与がない場合がほとんどです。
しかし、その分正社員よりも契約社員の方が、月々の給与を高く設定している、という会社もあります。
また、「短期間で色々な会社で経験を積み、スキルアップすることができる」「正社員として雇用される前に、その会社の雰囲気を知ることができる」などのメリットも。
最近では、あえて勤務時間が正社員ほど厳しくない契約社員を選び、その期間に自分の将来に必要となるスキルを磨くというケースも増えています。
契約社員は「先のことが分からないから、不安だ」と悩む方が多いですが、先のことが分からないのは今のご時世では普通のことですし、正社員だって同じです。
よく10年先、20年先の将来のプランを持っておくべきだと言いますが、現在は社会が変化するスピードが早く、正社員だとしても「自分が働いている会社が、10年先も必ず存在している」と言い切れる人はあまりいないでしょう。
雇用され続けたいのであれば、正社員であっても契約社員であっても、「周囲から必要な人材となるためには、どうすればよいのか」についてしっかりと考える必要があります。
社会保険にも加入する
契約社員は、雇用保険や厚生年金などに加入しなくても良い、と誤解している人もいますが、契約社員でも社会保険などの基準を満たしている場合は、加入する必要があります。
◆健康保険・厚生年金
健康保険・厚生年金は、次のいずれの条件も満たしている場合、本人の意思や会社の都合とは関係なく加入が必要です。逆にいえばこの「4分の3」未満の労働条件で勤務するような契約社員の場合は、厚生年金に加入する必要はありません。
もし要件を明らかに満たしているにもかかわらず未加入の場合は、調査等で加入指導をされます。
また、将来起業を目指しているのであれば、経営に関わる数字を理解できるような職種を選ぶ必要があるでしょう。
【1】契約期間が2か月以上であること(2か月を超えて雇用されれば加入します)
【2】所定労働時間が正社員と比較して4分の3以上であること
◆雇用保険
雇用保険は、次のいずれの条件も満たしている場合は、加入する必要があります。
この2つの加入要件を満たしていれば、契約社員に限らず、パートタイマーや派遣社員、嘱託社員の場合でも、本人の意思や会社の都合に関係なく、雇用保険の加入手続きをしなければいけません。
【1】31日以上雇用される見込みがあること
【2】所定労働時間が週20時間以上であること
たとえば、雇用契約期間が31日以上ある場合で、1日7時間で週3日の契約社員(週21時間労働)、あるいは1日4時間勤務で週5日の契約社員(週20時間)の場合は、いずれも雇用保険の加入要件を満たしていることになります。
契約社員のトラブルを防ぐためには
契約社員として入社しても「思っていたものと違う」というトラブルがないように、どのような場合に契約が更新されるのか、正社員への登用の可能性・前例はあるのかなど、応募する際に就業規則などを確認しましょう。
不明な点があれば、会社側にしっかりと確認しておくことが大切です。