転職の面接で質問したい時(逆質問)の聞き方、マナー
投稿日:2024.03.07 最終更新日:2024.06.21
目次
面接担当者は、採用予定人数の何倍もの大勢の応募者と面接を行うこともあります。そして、その中から自社のニーズに最も合う人を探し出すために、さまざまな質問をしてきます。
しかし採用されるか否かは、求人企業とマッチングしているかどうかで決まるので、面接といっても、決して応募者が一方的に質問を受ける場というわけではありません。
面接で、採用側と応募者がそれぞれ持っている情報や意思、考えを伝え合い、双方の思いが一致した場合に採用となるのです。
ですから、応募者も「選ばれたい」「雇ってほしい」という受け身の姿勢ではなく、その応募先企業が本当に自分の転職先としてマッチしているかどうか……を確認するつもりで面接に臨むよう心掛けることが大切です。聞きたいことや確認したいことがあれば、面接の中で質問することは問題ありません。
ただし、逆質問する際に必要なマナーもあり、面接時ではなく採用後にするべき質問などもあります。
転職の面接には、質問したいこと(逆質問)の聞き方、マナーについて、しっかり確認してから臨みましょう。
まずは面接の流れを知っておく
面接は、職務経歴書などの書類だけでは伝えにくい、自分の長所を知ってもらう大切な場です。
書類上は他の応募者と比較して見劣りがあったとしても、面接を行った結果の総合評価で採用されたという人もたくさんいます。
面接を突破し採用されるためには、まず面接の前に『面接の一般的な流れ』を参考にして、自分なりにアピールポイントや質問するタイミングを、あらかじめ考えておくことが大切です。
もちろん、面接の進行を応募者がコントロールすることは難しいですが、タイミングをあらかじめ想定しておけば、面接担当者との質疑応答がちぐはぐになってしまったり、質疑応答の流れから外れた唐突なアピールや質問をしてしまうという事態は、かなり防ぐことができます。
一般的な面接の流れ
○入室
入室する際にも、身だしなみや立ち居振る舞いなどの社会人としてのマナーについて、しっかり見られていることを忘れないようにしましょう。
・入室する場合は、ノックをして「どうぞ」と言われてから入室します。
・入室したら横向きになって、ノブを持ち替えてからドアを静かに閉めます。
・着席する椅子の横まで進み「○○田○○子です。よろしくお願いします」と一礼します。
・「どうぞ座って下さい」と促されてから、着席します。
○面接担当者からの質問
応募者の緊張をほぐすため、冒頭に「会社までどのように来ましたか?」「会社の場所はすぐに分かりましたか?」など、軽い質問をされることがあります。
その後、職歴や実務経験、スキルの内容などについての質問、会社や仕事に対する考え方、将来の目標などについて聞かれます。
さまざまな質問の中で、業務に必要な能力の有無、職場との相性などがみられていますので、何を聞かれても焦らないように、きちんとオリジナルの回答を用意しておきましょう。
なお、あらかじめ考えてきた質問事項について、このやり取りのなかで説明されることもあります。その場合には、そのタイミングを逃さないように会話の中で自然に質問をするようにしましょう。
○面接終了の告知
面接の終了前には、面接結果の連絡先や時期、これから先の選考手順などの説明があり、「ほかに質問はありますか?」と聞かれることがあります。これは面接終了の決まり文句のようなものではありますが、もし質問や確認したいことがあり、なおかつそれまでの質疑応答の中で面接担当者から説明がなかった場合には、このタイミングに聞くのがベストです。
○退室
退室する時も気を抜かないように。
面接担当者にお尻を向けないよう、退室したら必ずドアに向き直ってから、閉めるようにしましょう。
面接でこちらから質問する(逆質問)場合
ひと通りの質疑応答が終わると「何か質問はありますか」「最後に何か確認したいことはありますか」などと聞かれることがあります。
これは、面接終了を告げる合図のようなものです。
よく、「この時何かを質問しないと、入社意欲がないと思われるのではないか」と思う人もいますが、そんなことはありません。
特に聞きたいことがなければ、「丁寧にご説明をいただきましたので、ひと通り理解することができました。本日お話を伺って、改めて御社で働かせていただきたいという想いが強くなりました」と回答すればOKです。
むしろ、「何か聞かなければ」と面接に関係ない必要度の低い質問をしてしまうと、マイナス評価になってしまうケースもありますので、注意してください。
もし、それまでの質疑応答で聞きもらしたことがあるのであれば、この時に確認するのはもちろん構いません。しかし、面接の終盤になって基本的な仕事内容について質問してしまったりすると、「しっかり話を聞いていたのか」とマイナス印象になってしまうこともあります。くれぐれも不要な質問をすることがないように、表現の仕方にも十分注意するようにしましょう。
事前に聞きたいことを用意しておこう
面接に臨む前には、事前に質問したいこと、確認したいことをしっかり整理しておきましょう。
真剣に企業研究をしたうえで面接に臨んでいるのであれば、詳しく聞いてみたいことや確認したいことが出てきても不思議ではありません。「これだけは確認しておきたい」という質問事項を2、3個用意しておくと良いでしょう。
なお、今後の選考手順や結果連絡の時期・方法などについて質疑応答のなかで説明がなかった場合には、面接の終盤で確認するようにします。
面接の結果が出るまでの期間は、企業によってさまざまで、1週間後に結果が分かる場合もあれば、1か月後になることもあるので、その期間ずっと落ち着かない状況を過ごすことになってしまいます。
「結果のご連絡をいただける時期や方法について教えていただけますか?」「この後は二次面接など予定されているのでしょうか?」と確認しておけば、採用の連絡がくるまで落ち着いて過ごすことができます。
仕事内容や勤務条件
会社によっては、企業のホームページ内に「先輩の体験談」などで業務内容などが掲載されていることもありますので、事前にしっかり目を通しておきましょう。「御社のホームページの○○のコーナーで、新規開拓営業の方法や営業目標について記載されていましたが、営業目標の設定の仕方の部分だけ、もう少し詳しく教えて頂けますか」などと聞くと、「しっかり企業研究をしている」という、勉強熱心なイメージを与えることができます。
ただし、仕事内容や勤務条件、給与や待遇などは、面接の本題ともいえる事項なので、面接の終盤に聞くようなことではありません。面接の終盤に質問する場合には、「参考までに御社では中途入社された社員の方は、どのくらいいらっしゃいますか?」「私のように異業種から転職し、活躍されている方はいらっしゃいますか」といった聞き方をするようにしましょう。
給与額について
給与額についての質問は、あまり良い印象を与えません。
確かに給与額は誰でも気になるものですが、給与額の質問ばかりしてしまうと、仕事内容よりも給与額が大事なのかといったマイナスの印象を与えてしまいます。
ですから、給与額については面接で聞くのではなく、できるなら内定後に聞くのがおすすめです。
ただし、基本給が曖昧に提示されている場合や、条件が提示されていない場合には、後々のトラブルを避けるために確認するのもよいでしょう。
その際、「ノルマが達成できないと、手取りは減るのですか」などといったストレートな聞き方はNGです。「ぶしつけな質問になりますが、先に確認させてください」「募集要項の『基本給+出来高』とは、具体的にどのように考えればよいですか」など、なるべくソフトで配慮のある聞き方をするよう、注意してください。
残業や休暇の確認
残業がどのくらいあるのか、休日出勤はあるのかなどは、働く上で大いに気になるポイントではありますが、給与額と同様、ストレートに聞くのはあまり良い印象を与えません。
残業や休暇については、面接担当者から「残業はできますか」などと質問された際に「はい、大丈夫です。ただ時期や仕事量は、どの程度と考えておけばよろしいでしょうか」と会話の流れの中で、自然に聞くのがおすすめです。
試用期間について
企業によっては、正社員登用まで一定期間試用期間を設けていることがあります。
試用期間とは、入社するにあたり一定の期間、労働者を観察・評価するための期間です。
会社としては、書類審査や面接だけでは労働者の性格や能力などを正しく判断することが難しいため、試用期間という「お試し期間」を設けて、労働者の性格や能力、適性などについて判断するわけです。
試用期間中は、労働者にとって本採用されるか分からない不安定な立場に置かれるということなので、気になった場合には雇用形態について確認しておきましょう。
この場合もストレートに「試用期間後は、正社員に採用していただけるんですよね?」と聞いてしまうと、仕事の内容より労働条件が優先か、とマイナスイメージを持たれてしまいます。
なお、試用期間について確認するのは面接の場ではなく、できれば内定が決まった段階で「確認事項」として質問するのかよいでしょう。
出産・育児との両立について
特に女性にとっては、出産・育児と仕事の両立は切実な問題です。
女性の終身雇用も進んではいますが、企業によっては女性の労働環境が整っていない場合もあります。実際、妊娠・出産、産前・産後、育休などを理由として、女性が不利益な取り扱いを受けるいわゆる「マタハラ」の被害も後を絶ちません。
現在は男女雇用機会均等法および育児・介護休業法で規制され、たとえば、妊娠を理由として解雇することは無効となりますし(男女雇用機会均等法9条4項)、妊娠し、つわりなどで十分仕事ができなくなったため降格させる行為も、許されません。
しかし実際には、まだまだこのようなケースは完全になくなったとはいえません。
ですから、結婚、出産をし、子育てをしながら働く意志を持っている人は、「長く働きたいと思っている。仕事も私生活もしっかり管理するつもりだ。」という将来のビジョンを前向きに示しながら、質問してみましょう。
ただし、質問するときに自分の権利ばかり主張するような聞き方は考えものです。
「子育てをしながら働いている人は、どのくらいいらっしゃいますか?」といった聞き方をすれば、会社として労働環境をどのように整備しようとしているか、イメージできるはずです。
もし労働環境があまり整っていない職場だと感じても、面接では「私が働く女性のロールモデルになりたい」など、「自分も努力します」という前向きなニュアンスを伝えるようにしてください。
以上、「転職の面接で質問したい時(逆質問)の聞き方、マナー」についてご紹介しました。
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